地域に出張、農家応援 紫波町図書館が初の企画


地域に出張、農家応援 紫波町図書館が初の企画

紫波町図書館(工藤巧館長)は22日、同町土舘の志和公民館で「出張としょかん」を初めて開いた。開館当時から掲げるコンセプト「農業の応援」に基づき、普段はなかなか足を運べない農家向けに企画。農業に関するDVDの上映や解説を行い、参加者は野菜作りのこつを学びながら、町の図書館の多様な役目に触れた。

農業者ら約50人が参加。農山漁村文化協会東北支部の柳島かなたさんが解説し、図書館でも貸し出しているDVDを上映してトマトとジャガイモ、サトイモの植え方に関する裏技や畑の雑草対策を紹介した。柳島さんは農薬を減らす知恵として黄色いバケツ、水、食用油と乳酸菌飲料か酢を使って虫を水面におびき寄せる方法を説明。参加者はメモを取るなどして熱心に聞き入った。

町図書館はJR紫波中央駅前に2012年8月開館。農業コーナーは入門書から専門書まで約千冊をそろえ、農業専用のデータベース「ルーラル電子図書館」も利用できる。一昨年からは農業者や農協、町などの関係者が交流する「こんびりカフェ」を開いており、町の基幹産業の支援に力を入れてきた。

手塚美希司書は「農家の人は忙しく土日もない。交通手段がなくて来づらい人もいる」と語り、農村地域に直接出向く初の企画に踏み切った。出張としょかんは、24日午後1時半から同町大巻の彦部公民館でも開く。今回は試験的な開催で、今後の展開はこれから検討するが、手塚司書は「これをきっかけに続けていければ」と展望している。

【写真=柳島かなたさん(右)の話に耳を傾ける「出張としょかん」参加者】

(2016/11/23)

 

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20161123_8

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です