制作サービス充実で拡大するインディーズA-Book

D2D_logo出版支援サービスを提供する米国の Draft2Digital(オクラホマシティ)は、コンテンツ配信サービスのFindaway社と提携し、7月18日から著者によるオーディオブック制作・出版を支援していくことを明らかにした。Findaway Voicesは、先行するAudibleのACXに相当するもので、急成長しているA-Book市場で提携を拡大していくと見られる。

Draft2DigitalとFindawayが提携

bestfreedomfriends_600-600x419自主出版出版支援サービスは山ほどあるが、Draft2Digital (D2D)は無料でE-Bookのフォーマット、配信、販売管理、決済までを行い、小売価格の10%を受取るというシステムを採用している(出版者の手取りはチャネル/プラットフォームによる)。著者にとっては初期費用が不要というメリットがある。

オーディオブック・サービスでは、売上の20%が制作サービスのマージンとなる。A-BookプラットフォームのマージンはE-Bookよりも高く、版権者の手取りは販売価格の40~50%、定額モデルの場合は30-40%とされる。価格が10ドルとすると版権者の手取りは4ドルあまり。もしまともなオーディオブックが出来れば、著者にとっては嬉しい選択肢だろう。

audiobooks4indiesE-Bookで一定の手応えを掴んだ著者にとって、A-Bookは手の届く目標となりつつある。スタジオとプロフェッショナル・サービスは、ラジオに代わってポッドキャストとA-Bookを主要なメディアとして考え始めている。D2Dがサービスを拡張したのは自然だ。Voicesは、「B2Bオーディオブック配信の最大手」(競合があるかどうか不明)のFindawayが、制作プラットフォーム整備のために昨年末に始めたもの。特徴は以下のようなものだ。

  • 著者/出版者による完全なコントロール
  • グローバルな市場へのアクセス(Audibleを含むチャネルを通じ世界170ヵ国以上をカバー)
  • 専門家がリストアップした候補からナレーターを選択
  • プロフェッショナルな制作プロセスとサポート
  • 自主制作コンテンツの持込みも可

A-Book市場では、小売プラットフォームのAudible(アマゾン)がKindleに相当する地位を築いているが、他のコンテンツ小売(Audiobooks.com、Nook、TuneInなど)や流通(Baker & Taylor)や図書館配信サービス(Scribd、3Mなど)は多くがFindawayを利用している。D2DはFindaway Voicesと組むことで、E-BookにおけるSmashwordsに相当する存在となる。Audible/ACXとの差別化は、ACXの場合、KDP SelectのようにAudibleの独占販売となるが。D2D/Findaway Voicesでは拘束がないこと。◆ (06/15/2017)

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