大阪市立図書館(大阪日々新聞)

澪標 ―みおつくし―

借りるだけではもったいない-図書館ご案内

岡本 泰子
大阪市立中央図書館
利用サービス担当係長2020年11月30日

 皆さんは、図書館を利用されているでしょうか。読者の中には、よく本を借りているという方もいらっしゃるかもしれません。

 私の勤める大阪市立中央図書館は西区にあり、大阪メトロ千日前線・長堀鶴見緑地線西長堀駅に直結しています。このほか各区の地域図書館23館、自動車文庫まちかど号2台(105ステーション)と、物流と情報のネットワークを組み、一体的にサービスを提供しています。2021(令和3)年には、大阪市立図書館は100年、中央図書館は60年(現在の建物は現地建て替え後25年)を迎えます。

 大阪市立図書館の歴史の中でも、今年は特筆すべき1年となりました。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、大阪市立図書館は3月2日から5月15日まで全館休館しました。5月16日にようやく全館開館し、9月18日にはすべてのサービスを再開しました。現在、座席は間隔をあけて配置しています。

 長期休館中は館内で雑誌や新聞を読んだり、本を借りていただくことはできませんでしたが、私たち司書は相談のお電話を受け続けていました。開館状況のお尋ねや、ご自宅で利用できる電子書籍のお問い合わせもあり、休館中はより多くの方にご利用いただきました。(2020年8月26日大阪日日新聞「電子書籍の利用急増 大阪市立中央図書館」参照)

 コロナ関連の質問も多く寄せられました。コロナの語源は? クラスターとは? パンデミックとは? などの用語についてや、スペイン風邪が流行した時代の患者数や当時の学校の対策などについてのお問い合わせもありました。

 こうした調べもののことを図書館では、レファレンスサービスといいます。日常の疑問の解明から、ビジネスに必要な統計・情報の調査まで、図書館の資料やデータを使って、司書が調べものや資料探しのお手伝いをするサービスです。

 コロナ禍でのレファレンスサービスの取り組みをまとめ、「第6回図書館レファレンス大賞」に応募したところ、これまでの地道な蓄積と活用が評価され、「公益財団法人図書館振興財団賞」を受賞しました。皆さんも「そんなこと聞いていいのかな」などと思わず、ぜひ近くの図書館にご相談ください。

 また、図書館では感染防止対策を行ったうえで、さまざまなイベントも再開しています。中央図書館では現在、IT/IoT、決算数値の読み方、交渉術の各テーマでのビジネス講座元気塾の参加者を募集中です(参加無料)。PRに関する講座動画も公開中です。詳しくは当館ホームページ(https://www.oml.city.osaka.lg.jp/)をご覧いただくか、中央図書館にお尋ねください。

次回からも、借りるだけではもったいない図書館のさまざまなサービスをご紹介します。「澪標」をきっかけにぜひご利用ください。(大阪市西区、おかもと・やすこ) 【プロフィル】平成6年度に大阪市職員・司書職として採用され、鶴見図書館に着任。その後、中央図書館の大阪担当、調査・図書館学担当として市民の問い合わせに対応する。また、企画・情報担当での図書館資料のデータ作成や購入業務等を経て、平成23年度より情報システム担当係長として、電子書籍サービスの導入、図書館システムの再構築等に関わる。平成30年度に現職に着任、日々の利用者からの調査依頼等によりニーズの把握につとめ、ビジネス支援サービス等の企画立案等を行っている。

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