米国図書館利用デジタル化が進んで、より借りやすく

2022/5/17

非営利のデータ分析とリサーチ団体「ワーズ・レーテッド」が今年2月に発表したレポートによると、1992年~2019年の過去30年間の間で、アメリカ国内の公共図書館の利用率は過去最高になったという。2009年から2019年の間に、実際に図書館を訪れる人数は21%減少したが、アメリカの人口の約54%に相当する1億7400万人もの人が、地域の図書館に登録している。書籍のデジタル化に伴い、書籍の約58%はオンラインで貸し出している。 書籍が一段と借りやすくなった一例として、ニューヨーク公共図書館のアプリ、「シンプリーE」が挙げられる。Kindleやスマートフォンで、Eブックやオーディオブックが無料で借りられる。仕組みは簡単だ。アプリをダウンロードして、公立図書館のカードの番号を入れるだけ。

開催されるイベントへの参加者も増加

アダムスストリート図書館

また、図書館で開催されるアクティビティも盛んだ。多くのプログラムが開催され、来館者は増加傾向にあるという。ワーズ・レーテッドによると、2019年には1億2500万人が、図書館が開催するプログラムに訪れた。これは2004年の統計に比べてほぼ2倍。2014年と比べると23%以上の増加だ。美しい外観で著名なブルックリンの「セントラル・ライブラリー」では、2021年10月に野外スペースでオペラを開催した。また、パンデミックになってからはwifiを野外にも飛ばし、休館日でもインターネット回線を切ることなく、ブルックリンの約30箇所の図書館ではテーブルと椅子、ブックカートを歩道や外のスペースに設置して、誰でも気軽に読書できるスペースを設けた。

ミレニアル世代に浸透している「シェアリング」の概念。クルマや衣服、家具など、なんでも所有せずに貸し借りで無駄を省き、サステイナブルなライフスタイルが主流になってきている現代で、図書館はまさに時代のニーズに応えていると言えるだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です