毎日新聞「読書世論調査」が終了

毎日新聞「読書世論調査」終了による損失は計り知れない。=永江 朗

2022年6月27日

毎日新聞「読書世論調査」が終了

戦後長く続けられてきた毎日新聞の「読書世論調査」が終了した。これに伴って、調査結果をまとめた書籍の発行も中止する。調査の実施と書籍を発行してきた毎日企画サービスが4月7日に発表した。

 読書世論調査は戦後間もない1947年に開始された。この年は読書週間が始まった年で、毎日新聞は毎日出版文化賞の創設とともに読書世論調査(第1回の名称は出版世論調査)を目玉行事のひとつとした。単なるアンケートではなく、設問や対象の抽出方法など実施方法について専門家の協力を得た調査である。読書に関する調査でこれほど厳密かつ長期間にわたって継続されてきたものはない(家の光協会の農村読書調査も歴史は長いが、名称が示すように対象が限られる)。2020年と21年はコロナ禍により調査が中止され、19年6月の調査が最後となった。

終了の理由について毎日企画サービス調査部は「諸般の事情により」としているのみ。コロナ禍により住民基本台帳からの対象抽出が困難になったことや、費用がかかりすぎることなどがあるのかもしれない。

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